長崎市のJR長崎駅前で2007年、選挙運動中の伊藤一長市長=当時(61)=を射殺したとして殺人や公選法違反(選挙の自由妨害)などの罪に問われた元暴力団幹部城尾哲弥被告(62)の控訴審判決で、福岡高裁の松尾昭一裁判長は29日、「選挙妨害そのものが目的ではなかった。死刑は重すぎる」と述べ、求刑通り死刑とした一審長崎地裁判決を破棄、無期懲役を言い渡した。
金銭強奪目的などではなく、被害者が1人で、殺人罪の前科がない被告に死刑を言い渡した一審判決は、最高裁判決が1983年に示した死刑適用基準(永山基準)やこれまでの裁判例からみて異例で、二審判決は減刑した。弁護人と被告本人が控訴していた。
判決理由で松尾裁判長は「一審判決の事実認定に誤りはない」とした上で、城尾被告が知人への融資を市に断られたことなどを理由に面識のない伊藤前市長殺害に及んだことを「暴力団特有の身勝手な要求で理不尽極まりない」と指摘。
「行政対象暴力としても、選挙妨害としても最悪な犯行だが、被害者が1人にとどまることを十分考慮する必要がある」と述べ、量刑を検討。身代金目的や強盗のような利欲的な側面はなく、主な動機は被害者への恨みだったことなどを考慮し、「死刑選択はちゅうちょせざるを得ない」と結論付けた。
(共同通信社)
長崎市長射殺、福岡高裁は無期 一審の死刑判決破棄
元少年の実名表記したルポ刊行へ 山口県光市の母子殺害事件
山口県光市母子殺害事件の被告の元少年(28)=死刑判決を受け上告中=を実名表記し、本人と周辺を追ったルポルタージュの単行本が10月に刊行されることが26日分かった。事件時に被告は18歳で、実名掲載は少年法違反の恐れがあるが、著者で大学職員の増田美智子さん(28)は「被告と25回の接見を重ね、人間として描きたいと考えた。匿名では人格の理解が妨げられ、モンスターのようなイメージが膨らむ」と説明、本人の了解も得たとしている。重大な少年事件報道の在り方について議論を呼びそうだ。
この本は「A(実名)君を殺して何になる」(インシデンツ刊)で、増田さんが今春大学に就職する前、ライターだった時期に本人のほか元同級生や、被害者を侮辱する内容から週刊誌で反響を呼んだ手紙の相手などを取材。巻末の「解説」を元弁護人(2007年10月解任)の今枝仁弁護士が書いている。
同書は「国民がA(実名)君の実像をきちんととらえられていない今、彼が死刑になることが本当に社会にとって良いことか」と疑問を提起。増田さんは「匿名でも良いのではと思われるかもしれないが、私が会った人間の存在を感じてもらうため、名前は重要な要素」と述べた。
少年時の事件で家裁の審判を受けたり起訴されたりした人の氏名は少年法61条により報道が禁止され、新聞、テレビなどは光市母子殺害事件の被告を匿名で報じている。
(共同通信社)
首相、日航再建で公的資金を検討 11月末に再生計画
【ピッツバーグ共同】訪米中の鳩山由紀夫首相は24日夜(日本時間25日昼)、同行記者団と懇談し、深刻な業績不振に陥っている日本航空の再建問題について「公的支援が必要となるかもしれない。前原誠司国土交通相と相談し、できるだけ早く結論を出したい」と述べ、公的資金の注入を前向きに検討していくことを表明した。
さらに鳩山首相は現在の経営改善計画案に関して「もっとしっかりしたものを作る必要がある」とし、前政権の計画ではなく、新たな計画を検討する考えを示した。日航の再建問題は、新政権による政治主導で解決を目指すことになった。
首相の意向を受けて、政府は25日、日航の経営再建のため企業再生の専門家で構成するチーム「JAL再生タスクフォース」を発足させた。日航はタスクフォースの指導、助言を受けて10月末ごろに新たな再生計画案の骨子を作成し、11月末ごろに計画をまとめる。
国土交通省は日航に対して9月末までの経営改善計画策定を求めていたが、前原国交相は、日航の改善計画案の実現可能性を疑問視し、事実上2カ月先延ばしして抜本的な再建策を求めることにした。
タスクフォースは5人で構成され、旧産業再生機構の産業再生委員長を務めた高木新二郎氏がリーダー、同機構最高執行責任者(COO)だった冨山和彦氏がサブリーダーを務める。日航の資産査定に着手した上で、新再生計画を指導する。
(共同通信社)
八ツ場ダム中止に反対 費用負担の埼玉、千葉知事
前原誠司国土交通相が八ツ場ダム予定地を視察し、建設中止を撤回しない考えを強調したことについて、事業費を負担している埼玉県の上田清司知事と千葉県の森田健作知事が24日、中止にあらためて反対の姿勢を示した。それぞれ記者団の質問に答えた。
上田知事は「代替案の開示がなく、極めて無責任だ」と批判。国が関係自治体に負担金を返還する意向を示したことには「金を返せばいいというものではない。(他の方法と比べて)時間とコストがかからないことで、ダム建設が決まった経過がある」と反発した。
森田知事も「だめだと言うなら『治水・利水の面でこういう構想がある』というのを示していただきたい。確かに(民主党の)マニフェストに載っているが、これでは問答無用になってしまう。話し合いが大事だ」と述べた。
(共同通信社)
東アジア共同体を提案 鳩山首相、胡主席と初会談
【ニューヨーク共同】鳩山由紀夫首相は21日夜(日本時間22日午前)、中国の胡錦濤国家主席とニューヨークで就任後初めて会談し、日中関係について「互いの違いを認めながら信頼関係を構築し、東アジア共同体を構想したい」と提案した。両首脳は朝鮮半島非核化に向けて努力する考えで一致した。会談後、首相が記者団に明らかにした。
首相は会談で「鳩山外交」の立場として、侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」を基本的に踏襲する方針を表明。「お互いの立場の違いを乗り越えられるような外交、違いを認め合える関係が『友愛』だ」と述べた。同時に、日中間の「戦略的互恵関係」に触れ「もっと中身のあるものにしたい」と指摘した。
これに対し、胡主席は(1)首脳レベルの往来を増やす(2)民間レベルの交流活発化(3)経済貿易関係強化・発展(4)アジアや世界規模の問題での協力(5)両国間に食い違いがある問題は大所高所から解決―の5点を提示した。
東シナ海ガス田開発をめぐり、鳩山首相は「友愛の海にすべきだ」と強調し、共同開発に向けた「協定」締結を提唱。胡主席も「平和友好協力の海にしたい。大局の枠組みの中で正しい処理が必要だ」と応じ、近く事務レベルで意見交換したい意向を示した。
胡主席は地球温暖化対策問題で、鳩山首相が打ち出した温室効果ガス25%削減の中期目標を念頭に「積極的な態度を評価する」と述べた。
チベット問題に関して胡主席が中国の立場に理解を求め、鳩山首相は「チベットの地位は国内の問題だが、もし可能なら対話による解決を祈念する」と促した。会談時間は予定の40分をオーバーし約1時間だった。
両首脳は中国の「食の安全」問題について、相互の信頼関係を強化する考えで一致した。中国で来月上旬にも開かれる予定の日中韓首脳会談の際に、再会談する見通しだ。首相は21日夜、会談に先立ち政府専用機でニューヨークに到着した。
(共同通信社)
酒井法子被告、15日にも保釈へ 東京地裁決定、保証金5百万
覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪で起訴された女優酒井法子被告(38)について、東京地裁は14日、保釈を認める決定をした。保釈保証金は500万円。東京地検は不服申し立ての準抗告をしなかった。関係者によると、保釈保証金は即日納付されず、被告が拘置先の警視庁東京湾岸署を出るのは15日以降になる見通し。
酒井被告は8月8日に逮捕され、9月14日に弁護人を通じて地裁に保釈を請求していた。
酒井被告は、東京・南青山の自宅で8月上旬に覚せい剤を所持していたとして8月28日に起訴され、さらに7月30日ごろ鹿児島県・奄美大島のホテルで覚せい剤を吸ったとして、使用の罪でも9月11日に追起訴された。初公判は10月26日に東京地裁で開かれる。
酒井被告の夫高相祐一被告(41)も別の覚せい剤使用と所持の罪で起訴され、酒井被告側と同じく9月14日に保釈を請求したが、認める決定は出ていない。
(共同通信社)
サル撃退にオオカミのおしっこ 新名神高速道で効果
高速道路や料金所に侵入するサルに悩まされてきた中日本高速道路会社(名古屋市)がオオカミの尿を使った米国製商品でサルを撃退、効果を挙げている。
同社によると、新名神高速では開通後約1年間でサルがひかれるなどの事故が7件発生。料金所に乗り込んできたり、桑名保全・サービスセンター(三重県)近くで暴れ、車のタイヤがかじられることも。パーキングエリアの残飯を狙っているとみられる。
同社はフェンスをかさ上げし、さらに電気を流すことを検討したが、担当者が「ウルフピー(オオカミの尿の意味)」という商品を知り「半信半疑」ながら3月に導入。
新名神の土山サービスエリア(滋賀県)周辺約2キロのフェンスに、約50ミリリットルを入れた穴開き容器を数メートル間隔でぶら下げると、サルの侵入がなくなり、ふんも見られなくなった。成分は100%オオカミの尿で、3・8リットル入りボトル(約4万円)で1カ月分という。
サルなどは天敵オオカミのにおいを嫌う習性があり、米国の国立公園では約20年前から利用。環境省も山梨県でシカの食害から希少植物を守るため試験的に使っている。
(共同通信社)
北朝鮮にダム放流の謝罪を要求 韓国政府
【ソウル共同】北朝鮮が予告なしにダムから大量の放流を行い、韓国北部の臨津江でキャンプ客ら6人が死亡・行方不明となったことについて、韓国統一省の千海成報道官は8日、北朝鮮当局の「十分な説明と謝罪」を要求した。
韓国国内では、政府がすぐに北朝鮮に対して謝罪要求しなかったことへの批判が出ていた。南北間の対話ムードに影響を与える可能性もある。
北朝鮮側は7日午後、韓国側に対し「水位が上がったため緊急放流した」と説明。しかし報道官は、最近はダム周辺で降雨は確認されていない上、北朝鮮側が人的被害に言及しておらず、納得できないと語った。
臨津江の急激な増水により6日朝、子ども1人を含むキャンプ客ら6人が流されて行方不明となり、うち3人が遺体で見つかっている。
(共同通信社)
硫化水素で中学生と父死亡 自殺図った息子助けようと
4日午前5時20分ごろ、埼玉県熊谷市の民家の浴室で、硫化水素を発生させ自殺を図った中学1年生の長男(13)と、息子を助けようとした父親の会社員(46)が死亡した。119番した母親と長女(16)も、硫化水素を吸って病院に運ばれたが軽症。
熊谷署によると、浴室で倒れている長男を父親が発見し助けようとしたが、父親も硫化水素を吸って倒れたとみられる。
長男は起床した後で「風呂に入ってくる」と話していた。脱衣所のかごの中には「生きていくことに疲れた」という内容の遺書も残されていた。
浴室にはトイレ用洗剤と農薬があり、脱衣所入り口の引き戸には「硫化水素発生中」などと書かれた紙が張られていた。
長男が通っていた中学の校長は「驚いている。欠席もなく、現時点で自殺の理由は分からない」と話した。
近所の住民によると、有毒ガス発生のため外出を控えるようにとの行政無線があったという。
現場はJR熊谷駅の南西約2キロ。水田地帯に住宅が点在している。
(共同通信社)
「新首相」に期待が71% 政権交代「よかった」は49%
共同通信社が、政権交代確定を受けて8月31日、9月1日に行った全国緊急電話世論調査で、新首相となる民主党の鳩山由紀夫代表に「期待する」と答えた人は71・1%となった。直接の比較はできないが、昨年9月の麻生内閣発足直後の支持率48・6%を大幅に上回っており、新政権への期待度の強さをうかがわせた。「期待しない」は20・2%だった。
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一方、民主党が大勝し、政権交代することについて「よかった」は49・2%、「どちらともいえない」が42・3%となった。自民党の惨敗についても「どちらともいえない」が47・2%、「よかった」は44・8%だった。
政党支持率も、民主党が41・1%で過去最高を記録、19・0%の自民党を大きくリードした。麻生内閣の支持率は14・2%、不支持率75・3%だった。
発足予定の鳩山内閣が優先して取り組むべき課題(複数回答)では「景気・雇用対策」が40・2%で最多。次いで「税金の無駄遣い一掃など行財政改革」39・7%だった。
辞任する麻生太郎首相(自民党総裁)の「次の総裁」にふさわしい人でトップは29・1%の舛添要一厚生労働相、2位は石原伸晃幹事長代理12・2%、3位は石破茂農相10・5%の順だった。
(共同通信社)
